2008年10月25日

20081025_京阪電鉄中之島線なにわ橋駅

10月19日に京阪電鉄の新線が開通し事務所の近くにもなにわ橋駅が新設されました。場所は堂島川と土佐堀川に挟まれた中之島地区にあり、20年近く前に安藤忠雄氏が独自に(つまり、誰に頼まれることなく)中之島プロジェクトという、地上部の公園整備とともに芸術・文化の拠点となる大地下空間の提案を行っておられた場所です。その一貫として明治期に建築されたホールの中にコンクリートの卵型ホールを入れ、再生・活用していくことを提案していた大阪市中央公会堂(中之島公会堂)の最寄駅になります。この駅の地上出入り口部を安藤忠雄氏が設計されています。最近鉄道の駅の設計をされることも多いようですね。

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遠景で公会堂が見えます。

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デザインの系統としては六本木の21_21 DESIGN SIGHTの流れか。

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内装はプレキャストコンクリート材?開口部越しに公会堂が見えます。

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別の出入口。まだ仮囲いが設置されています。

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壁〜天井へ連続する内装材としてにガラスブロック。光沢と質感が面白いですね。

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コンコースは安藤事務所の手によるものではないようで、中之島線の各駅に共通の不燃処理をした木材とガラスによるデザインです。地下駅にしてはめずらしい天井の高い空間です。

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この通路は安藤事務所が監修しているのかな?

公会堂は安藤氏の提案後、その活用方法が議論され、最終的には安藤氏の提案は採用されず、数年前に免震工事と当時の意匠に沿った形での改修が行われました。そして中之島線の開通とともに現在地上部の公園整備が行われています。(これも安藤氏の提案とは別案。これまではバラ園などがあり、付近を通る際目を楽しませてくれていたのですが、整備後どのようになるか楽しみにしています。)
個人の建築家は都市に対しては無力で20世紀後半から建築家は都市から撤退したと言われていました。いずれも安藤氏の提案は採用されていませんが、中之島地区へ人々の注目を喚起し議論の対象としていく上で何らかの役割をはたしたのではないかと推測します。
posted by kiwt at 15:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 都市空間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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